アップドッグのやり方とコツとは?ヨガのポーズを徹底解説

アップドッグってどんなポーズ?コブラのポーズとの違いは?

アップドッグは、両手でしっかりと床を押しながら、身体の前側と喉前を引き伸ばすポーズです。日本語で上を向いた犬のポーズ・上向きの犬のポーズなどと呼ばれています。

サンスクリット語と英語での名前は以下の通りです。

サンスクリット語:ウールドヴァ ムカ シュヴァナーサナ / ウールドヴァ ムカ シュヴァーナ アーサナ・Urdhva Mukha Svanasana

英語:Upward-​Facing Dog

インストラクターもよく使っている「アップドッグ」は英語の略称。アシュタンガヨガの太陽礼拝に入っているポーズで、ヴィンヤサ(1呼吸1動作の流れるようなヨガシークエンス)で出てきます。

似ているポーズに「コブラのポーズ」があります。アップドッグとコブラのポーズとの違いが分かりづらいと感じる方も多いようですね。両方とも胸を広げて床に手をついているので、確かに似ているポーズですが、気を付けるポイントが違います。

アップドッグとコブラのポーズの違い

アップドッグ」は、足の甲で床を押して両手を肩の下に置きます。体幹で身体を支え、胸の中心を上に引き上げるポーズです。さらに目線を上げて喉前も伸ばしていきます。

コブラのポーズ」は、恥骨で床を押して、背骨の力で胸を広げるポーズです。両手は肩より前に置きます。

アップドッグ」も「コブラのポーズ」も姿勢改善や背筋が強化できるポーズです。違う点としては、アップドッグには、体幹を鍛える効果があるということ。リラックスを重視するならコブラのポーズの方が良いかもしれません。

ポーズ自体の難易度はどちらもあまり変わりません。ただし、肘を曲げて床と平行に保つチャトランガからアップドッグに入るシークエンスなどは、上級者向けです。初心者なら、ひざをマットについてからあごと胸を床に近づけ、コブラのポーズに入る流れがおすすめです。

似ているポーズですが、違うポーズだということを忘れずに取り組みましょう。

アップドッグの効果とは?

身体の前を伸ばすアップドッグには、様々な効果があります。詳しくみていきましょう。

首や胸、お腹まわりのストレッチになる

アップドッグは、背中を丸めて猫背になることが多い人におすすめです。

胸やお腹の前を広げることで気持ち良く呼吸が入るようになります。普段縮こまってしまっている方は、思いの外伸ばすのがキツく感じるかもしれません。少しづつ伸ばして気持ちの良い呼吸が入るようにしましょう。

背筋が強化できる

背中と体幹を使い上へと伸び上がっていくポーズなので、背筋を鍛えることができます。

体幹をうまく使えないと手首に負担がかかりやすいので気をつけましょう。背中に筋力がつくことで背中まわりがきれいになりますよ。

腰痛が和らぐ

しっかりと下腹部で支えながらアップドッグのポーズをとることで、腰痛の緩和に繋がります。ただし無理は禁物。お腹の力を抜いて腰を反ってしまっては逆効果となります。腰に痛みがある方は、ベイビーコブラを行うと良いでしょう。

ベイビーコブラは、マットにうつ伏せになり、両手を胸の横に置きます。ひじを体に寄せて胸を引き上げるポーズです。下腹部への力の入れ方と背筋を鍛えることができます。

姿勢改善

アップドッグでは、肩甲骨をしっかりと寄せて脇を締めます。胸が開き、姿勢改善に効果があります。アップドッグがしっかりと取れるようになると、坐骨を立てて床に座りやすくなるでしょう。立っている姿勢もスラッと見えるようになりますよ。

ヒップアップする

アップドッグは、大臀筋などお尻の筋力も使うので、お尻を引き締めたい人にもおすすめです。キュッとしたお尻を手に入れましょう。

様々な効果があるアップドッグは、太陽礼拝やヴィンヤサ(ポーズとポーズの間の流れ)とともに行うことが多く、単体でレッスンに出てくることは少ないかもしれません。練習したい方は、ヴィンヤサやフローのレッスンなどがおすすめです。

初めてのときは、体幹力がないと手首に負担がかかりやすい「アップドッグ」。キープ時間を短くし、少しずつ挑戦していきましょう。

アップドッグのやり方とコツをインストラクターが徹底解説

それでは、早速アップドッグを行ってみましょう。もしできるようなら、太陽礼拝の流れも試してみてください。

アップドッグ

  1. マットにうつ伏せになる
  2. 両手を胸の横におき、ひじを身体に寄せ脇を締める
    ※両手は伸ばしたときに肩の下に来るようにおく
  3. つま先はしっかりと伸ばす
  4. 背筋を伸ばし、胸を浮かせる
  5. 両手で床を押して、胸とお腹を引き上げる
  6. 恥骨も浮かせて、足の甲で床をおす
  7. 余裕があれば、目線を上げて喉前も伸ばす
  8. 5呼吸キープする
  9. 吐く息でゆっくりと降りていく

呼吸が止まるようなら、目線は正面にしましょう。両手は肩より後ろにくると手首を痛めてしまう危険性があるので、肩の下に来るように置きます。

では、次にチャトランガダンダーサナ(床と平行に身体をキープするポーズ)から挑戦をしてみましょう。

チャトランガダンダーサナからアップドッグ

  1. マットに四つん這いになる
  2. 両足を後ろに引いて、背筋を伸ばす※板のポーズ(プランク)
  3. 両手は肩の下に来るようにする
  4. 吐く息で脇を閉めて、ひじを90度曲げる(チャトランガダンダーサナ)
    ※身体を床と水平を保つ
  5. 吸う息でつま先を蹴り出し、両手で床を押して胸を広げる
  6. 足の甲を床につけ、アップドッグへ
  7. 5呼吸キープする

チャトランガが難しい人は、ひざをついて同じ動作に入っても構いません。その際背中を曲げないように気をつけましょう。

アップドッグがうまくできないときの対処法

アップドッグは、気を抜いて行うと腰を痛めやすいポーズです。二の腕や背筋の力が足らずにポーズが辛い方もいます。まずは、以下の注意点について、自分ができているか確認してみましょう。

  • 両手は肩の下に置いているか
  • 肩甲骨が上がっていないか
  • 脇を閉めているか
  • 下腹部を引き締めているか
  • 背筋を伸ばす力で上に伸びているか
  • 足にも力が入っているか

恥骨やももは浮かせます。足をしっかりと伸ばし足元から上に伸びることで体幹を使い身体を支えているのです。

足元や下腹部に力を入れられずに腕の力だけで引き上げるのはきついでしょう。全身で伸び上がるようにするのがコツです。

チャトランガからアップドッグがうまくできない時は、以下のようにポーズに入ってみるのもおすすめ。

  1. マットに両ひざをついて、背筋を伸ばす。両手は肩の下におく
  2. 脇を閉めて、胸とあごを床に近づける
  3. 吸う息で背筋を伸ばしながら、胸を開き、両手で床をおす
  4. 足の甲で床を押して、ももを床から離す
  5. お腹を引き締め、下腹部を安定させる
  6. 5呼吸キープする

目線は正面もしくは上を見上げましょう。うつ伏せにならないで、体幹を使って胸を開いていきます。

太陽礼拝を楽しもう!

太陽礼拝は、流派によっても少しづつ違います。アップドッグを楽しむなら、シークエンス(流れ)を覚えて、身体を動かせるようになると楽しいです。

チャトランガダンダーサナからアップドッグに入り、吐く息でダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)に入ります。この流れだけでも繰り返し行っていくだけで、背筋や肩まわりが整い、筋力もアップするでしょう。

それでは、太陽礼拝の流れを確認していきましょう。

  1. マットの前に立つ
  2. 吸う息で両手を上にあげる
  3. 吐く息で両ひざを曲げて、背中を真っ直ぐしながら前屈へ移動する
  4. 吸う息で両手をスネかももに置いて、身体を床と平行に引き上げる
  5. 吐く息で前屈に戻る
  6. 吸う息で両手をマットにつき、両足を後ろに引いて板のポーズへ
  7. 吐く息で胸を床に近づけて、ひじを90度曲げた状態でキープ(チャトランガダンダーサナ)
    ※キープが辛い方は一度うつ伏せへ。
  8. 吸う息でつま先で床を蹴り、両手で床を押して上体を引き上げアップドッグへ
    ※うつ伏せになった方は、両手を胸の横に置き、背筋を伸ばしながら胸を引き上げましょう。(ベイビーコブラ)
  9. 吐く息で尾骨を天井に引き上げて背筋を伸ばしダウンドッグへ
  10. 吸う息でマットの前に戻り、両手をスネかももに置いて、床と平行に身体を引き上げる
  11. 吐く息で前屈へ
  12. 吸う息で両手を回しあげながら立ち上がる
  13. 吐く息で両手を胸の前に戻す

太陽礼拝は、身体をほぐして温めるのにもおすすめです。ぜひ試してみてください。

オンラインヨガで太陽礼拝を練習しよう

classmallは、オンラインでのレッスンなので、好きな時間に好きなだけヨガのレッスンを受けることができます。

アップドッグの練習には、ヴィンヤサやフローのレッスンがおすすめです。初心者向けのレッスンもありますよ。

南 舞先生の「【心身のエネルギーを高める】朝のヴィンヤサフローヨガ」や、櫻井 恵梨先生の「【朝活】モーニングフローヨガ 」など、ヴィンヤサ系のレッスンも開催しています。

さらに慣れてきたら、鈴木 伸枝先生の「ヴィンヤサ&ヨガニードラ」にも挑戦をしてみましょう。ヴィンヤサ系はヨガに慣れてから受けるのがおすすめ。ぜひ素敵な時間をお過ごしください。

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投稿者: くりとも

パティシエの仕事でフランスやカナダへ滞在後、Vancouverで大自然やヨガに出会い、ヨガインストラクターへと転身。ヨガとパティシエ=健康と食を中心に発信を続けています。解剖学や陰ヨガを学び、これからの健康を考えるヨガを伝えて行けたらと活動をしています。続けることで一歩一歩かわることがある、そんなヨガをライフスタイルに。